NRTL認証
アメリカ労働省傘下の機関である労働安全衛生局(OSHA:Occupational Safety & Health Administration)は、作業者の安全確保のため、産業現場で使用される工業製品に対して国家認定試験所による安全認証の取得を義務付けています。
NRTLには現在、UL、CSA、TUV、ITSNAなどを含む18の機関が登録されています。
米国への輸出を希望する国内企業は、これら18の国家認定試験所のいずれかで認証マークを取得することで、安全認証に関する米国の法的要件を満たすことが可能です。
NRTL認証の取得方法
NRTLは、製品がOSHAの製品承認要件を満たしていることを証明するために、各NRTL試験機関に登録されたマークを使用します。
ただし、NRTLがOSHAの意図とは異なり、登録済みのNRTLマークと同一または類似したマークを製品に表示する場合があり、そのため製品に表示されているNRTLマークが必ずしもOSHAの要件を満たしているとは限りません。
OSHAは、NRTLが認証範囲内で認証を行い、製品に正規のNRTLマークが表示されている製品のみを認めています。
各NRTL機関には独自の認証範囲があり、必要に応じて一定の検証手続きを経て、その認証範囲を拡大することが可能です。
また、米国のNRTL機関とのMOUに基づき、NRTL認証を取得することもできます。
NRTL認証の対象となる製品および製品群
OSHAが指定するNRTL認証が必要とされる主な製品群は、以下の通りです。
>火災予防および消火設備:自動スプリンクラーシステム、消火器(乾式化学薬剤、噴霧器、泡、ガス系薬剤など)、消火システムおよびその部品、携帯型消火器、火災警報システム、防火扉、熱感知装置、火炎遮断装置、ホースなど
>ガス機器:LPG貯蔵所、バルブ、パイプなどのLPG関連機器、LPG取扱用装置および機械類
>爆発の危険がある環境で使用される製品(防爆製品)
>電気・電子製品
適用規格: NRTLで適用される製品安全規格は、製品ごとの法定要件を満たすために、ANSI(American National Standards Institute)、ASTM(American Society for Testing Materials)、FM(Factory Mutual Research Corporation)、UL(Underwriters Laboratories)、NFPA(National Fire Protection Association)などの規格が適用されます。
NRTL認証の事後管理について
各認証機関は、それぞれが独自に定めた事後審査基準に基づき、事後審査を実施しています。
通常、年に約4回の頻度で現地訪問を行い、継続的な適合性の確認を行います。