MDR認証
欧州連合(EU)の新しい医療機器規則 MDR 2017/745
欧州連合(EU)は、新たな医療機器規則である MDR(Medical Devices Regulation)2017/745 を採択しました。これは、患者の安全性を強化し、公衆衛生の現代化を図るために導入されたものであり、医療機器業界にとっては新たな転換点となります。MDRは、2017年5月5日に欧州委員会により公式に公布され、2017年5月25日に発効しました。これに伴い、医療機器メーカーには、MDRの要件を満たすために2020年5月25日までの3年間の移行期間が与えられました。この新しい規則は、従来の医療機器指令 MDD(Medical Devices Directive)93/42/EEC および能動埋込型医療機器指令 AIMDD(Active Implantable Medical Devices Directive)90/385/EEC を置き換えるものです。
体外診断用医療機器指令に代わる IVDR(In Vitro Diagnostic Medical Devices Regulation) 2017/746 は、2022年5月26日から適用されています。
MDR認証対象
医療機器(Medical Devices)、能動埋込型医療機器(Active Implantable Medical Devices)
MDRの主な変更点
‐規制遵守責任者に関する要件の強化(製造業者、欧州代理人など)
‐医療機器固有識別コード(UDI:Unique Device Identification)システムの適用
‐特定の高リスク製品(埋込型医療機器、Class III製品)に対する厳格な臨床要件
‐欧州中央データベース(EUDAMED)の整備
‐臨床評価および実証試験に関する要件の強化
‐共通技術仕様(Common Specifications)に基づく適合性評価の導入
‐製造業者に対する市販後監視などの要件強化(PMS、PSUR、SSCPなど)
‐医療機器の製品範囲の拡大(非医療目的の製品、Regulation (EU) 2017/745 付属書XVI)
MDR認証の取得方法
欧州連合内で販売される医療機器に適用されていた従来の指令がMDRに置き換えられたことにより、製造業者は新しい規則に適合していることを証明するために、MDR認証機関による適合性評価を受ける必要があります。クラスI以外の医療機器については、新たな規制要件を正しく理解し、自社製品に与える影響や未対応の規制事項を把握したうえで、迅速に対応策を講じることが求められます。
MDR認証の事後管理について
MDR認証機関は、欧州の医療機器規則に基づき、毎年の現地監査によって事後審査を行います。